禁欲期間1日間と4日間ではどちらが、精液の抗酸化能がよいか調査した論文
確かに、禁欲期間が短い方が精液量や精液濃度、総精子数は低くなります。しかし、逆に抗酸化能は禁欲期間が短い方が上昇します。
これは、禁欲期間が長くなると精液の抗酸化能が低下して、その結果妊娠しにくくなる可能性があることを示唆しています。妊娠を考える男性は、禁欲期間が長すぎてもいけないことを物語っているため、定期的に射精した方がよいのではないかと考えられます。
禁欲、男性不妊、精漿、酸化ストレス、総抗酸化能
禁欲期間を短縮することによって精液の総抗酸化能は上昇し、脂質過剰化反応とは独立し活性酸素類から精子を守る効果が高まるものと思われる。
禁欲期間の短縮は活性酸素に伴う精子の損傷を防御し精子の質を改善するが、運動精子数の減少をもたらす。
Influence of ejaculatory abstinence on seminal total antioxidant capacity and sperm membrane lipid peroxidation
Paul B.Marsh burn,Allie Giddings,Stephanie Cauchy,Michelle L.Matthews, Rebecca S. Unsaid,Nary Steuerwald,Bradley S Hurst
Fertil Steril.2014 Sep;102(3):705-710
禁欲期間が精液の総抗酸化能あるいは精子の膜の脂質過剰化反応にどのような影響を及ぼすか検討するために、大学の医療センターにおける生殖内分泌不妊部門において前方視的実験的試験を行った。
IUIを予定している不妊カップルの男性パートナー40名を対象とした。1日あるいは4日の禁欲期間後に精液を採取した。1日群と4日群における精液所見、ペルオキシダーゼ染色、精漿の総抗酸化能の測定、精子細胞膜の脂質過酸化反応を調べた。
禁欲期間を短縮することによって精液量は-24%、精子密度は-28%、総精子数は-3.2%といずれも有意な減少をみた。総抗酸化能は禁欲期間の短縮群においては延長群と比較し有意な上昇が認められた。短縮群と延長群において精子の膜の脂質過酸化反応には差異は認められなかった。