原因不明不妊女性に対する抗酸化剤であるビタミンC、ビタミンE、βカロチン投与について
BMI25未満の原因不明不妊女性では、ビタミンCの摂取量を増やすことによって、妊娠までの期間が短縮します。一方BMI25以上では、βカロチン摂取量増量で妊娠までの期間が短縮します。
年齢では35歳未満原因不明不妊女性では、βカロチンとビタミンCの摂取量増量で、35歳以上ではビタミンEの摂取量増量で妊娠までの期間が短縮します。
BMIと年齢を考慮して、抗酸化剤を使用した方が妊娠までの期間を短縮できる可能性があることを示唆しています。
妊娠成立までの期間は、BMIが25未満の女性においてビタミンCの摂取量を高めることによって、BMIが25以上の女性においては、βカロチンの摂取量を高めることによって短縮する。年齢が35歳未満の女性においては、βカロチンとビタミンCの摂取量を上昇させることによって、35歳以上の女性においては、ビタミンEの摂取量を上昇させることによって妊娠成立までの期間は短縮する。
Female dietary antioxidant intake and time to pregnancy among couples treated for unexplained infertility
Elizabeth H.Ruder,Terryl J.Hartman,Richard H.Reindollar,Marlene B.Goldman
Fertil Steril.2014 Mar;101(3):759-766
原因不明不妊として治療を受けているカップルにおいて、女性が抗酸化剤の摂取量を高めることによって、妊娠成立までの期間の短縮と相関するか否かを、原因不明不妊の女性を対象とした無作為対照試験のデータの二次分析によって調べた。
平均栄養摂取量を調べたところビタミンCおよびビタミンEに関しては推定平均必要量を上回った。調査期間内に出産に至った女性と出産に至らなかった女性において、いずれの抗酸化物質の平均摂取量に差異は認められなかった。
多変量モデルを用いて分析したところ、栄養補助食品としてβカロチンを摂取することによってBMIが25以上の女性において妊娠成立までの期間は短縮し、そのハザード比は1.29、35歳未満の女性におけるハザード比は1.19であった。
ビタミンCの栄養補助食品を摂取したBMIが25未満の女性において、妊娠成立までの期間は有意に短縮し、そのハザード比は1.09、35歳未満の女性におけるハザード比は1.10という結果であった。35歳以上の女性において栄養補助食品によりビタミンEを摂取したものにおいては妊娠成立までの期間は短縮し、そのハザード比は1.07という結果であった。