IVFにおいて、全粒穀物の摂取量と生児出産率に相関があることを示した論文

IVFにおいて、全粒穀物摂取量が多い女性は、少ない女性より生児出産率が高いという結果が得られました。摂取量が多い女性は子宮内膜が厚くなりやすく、その結果、生児出産率が高くなった可能性があります。

以上のことより、なるべく精白していない穀物を取るように心がけた方がいいかもしれません。

IVF患者において全粒穀物の摂取量の上昇は生児出産の確率の上昇と相関した。生児出産の確率の上昇は胚移植日の子宮内膜の厚さが関わっているものと思われ、それが子宮内膜の受容能を高め、着床率の上昇をもたらしたものと思われる。

Maternal whole grain intake and outcomes of in vitro fertilization
Audrey J,Gaskins,Yu-Han Chiu,Paige L.Williams,Myra G.Keller,Thomas L.Toth,Russ Hauser,Jorge E.Chavarro,EARTH Study Team
Fertil Steril.2016 Jun;105(6):1503-1510.e4

IVFを実施する前に全粒穀物を摂取した場合、それがIVFの結果にどのような影響を及ぼすか調査した。
438周期のIVFを受けた273名の女性を対象に前方視的コホート研究を行った。
全粒穀物の摂取状況を質問票を用いて調査した。女性の1日当たりの全粒穀物の摂取量の中央値は34.2gであった。

治療前の全粒穀物の摂取は着床率と生児出産率の上昇と相関した。
全粒穀物の摂取量が最も高い四分位(52.4g/日超)の女性における補正生児出産率は53%と、最も低い四分位(21.4g/日未満)の摂取量の女性における35%を有意に上回った。
このような相関は胚とは対照的にブラン(小麦ふすま)の摂取量の上昇に伴って増大した。

IVFの経過中の状態を調べたところ、胚移植日における子宮内膜の厚さは全粒穀物の摂取と相関し、1日当たり28g摂取量が増加するごとに子宮内膜の厚さは0.4mm増大した。