卵巣癌はチョコレート嚢胞の摘出後に発現することがあり、再発性チョコレート嚢胞からの発現をみるものが多くみられました。チョコレート嚢胞が再発した場合には厳しい追跡調査が必要だと思われます。
Development of ovarian cancer after excision of endometrioma
Hirofumi Haraguchi,Kaori Koga,Masashi Takamura,Tomoko Makabe,Fusako Sue,Mariko Miyashita,Yoko Urata,Gentaro Izumi,Miyuki Harada,Tetsuya Hirata,Yasushi Hirota,Osamu Wada-Hiraike,Katsutoshi Oda,Kei Kawana,Tomoyuki Fujii,Yutaka Osuga
Fertil Steril.2016 Nov;106(6):1432-1437.e2
【文献番号】r11200 (子宮内膜症、診断、治療、病態、チョコレート嚢胞、合併症)
チョコレート嚢胞の切除後に卵巣癌を発症したものの割合について調べた。チョコレート嚢胞と診断された485名の女性を対象に後方視的横断面的研究を行った。1995~2004年にかけてチョコレート嚢胞の切除を試みた症例のデータを2013年に診療記録から収集した。評価項目は年齢、rASRMスコア、嚢胞直径、追跡期間、チョコレート嚢胞再発、卵巣癌発症とした。
チョコレート嚢胞の再発は全コホートの中の121名(24.9%)に認められた。全体の0.8%である4名の患者に卵巣癌が認められた。すべての卵巣癌は再発性チョコレート嚢胞から発現したもので再発を認めた患者の33%に癌が発生した。チョコレート嚢胞の再発は卵巣癌の発現と有意な相関が認められた。
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