ART

不妊の分野におけるロボット手術と従来の腹腔鏡検査について

ロボット補助腹腔鏡によって生殖に関わるいろいろな問題にメリットがあるのではないかと思われる。ロボット手術を用いることによって出血量の減少を図り入院日数を短縮させ回復期の短縮も期待される。

しかし、ロボット手術後の長期的な問題、例えば妊娠率、子宮破裂、癒着の形成などを含めた問題を長期的な無作為対照試験で確認してみる必要がある。

一般的腹腔鏡で操作が難しい場合、ロボット補助手術によって問題を乗り越えることができることがある。視野の確保の面から、また操作上の面からロボテック補助手術は有用と考えられている。その結果、複雑な操作も可能で学習曲線の短縮もはかることができる。

ロボット補助腹腔鏡は不妊に関わる複雑な手術の症例においても有用と思われる。子宮筋腫核出術、卵管再吻合術、深部浸潤性子宮内膜症に対する処置などにロボット補助腹腔鏡が好まれている。

このような操作を用いることによって出血量を減少させ手術後の疼痛を軽減し入院日数を短縮させ早期の回復も図ることができる。

このような方法に関する1つの問題はその費用である。

また、妊孕性に対する長期的な予後にどのような影響を与えるのか、妊娠率、子宮筋腫核出術後の子宮破裂のリスク、卵巣予備能に対する影響、癒着の形成などに関してもさらに追跡調査が必要である。ロボット手術後の長期的な予後に焦点を当てた無作為対照試験を実施しどのような患者がロボット手術でメリットが得られるか検討してみる必要がある。

Robotic surgery vs conventional laparoscopy in the field of infertility

F.Sendag1.

1Ege University, Obstetrics and Gynecology, Bornova – Izmir, Turkey.

関連記事

  1. ART

    フィンランドの妊娠代理出産に関する患者の視点~ARTの時代に子宮のない女性はどうなるのか?

    フィンランドにおいては2007年代理出産を禁止する法律が制定された。そ…

  2. ART

    IUIの緩慢注入法について

    35歳未満の女性においては、4時間にわたって子宮腔に低濃度の精子を注入…

  3. ART

    クロミフェンはIUIにおいて、最も費用対効果の優れたレジメンであることが確認された論文

    クロミフェンと比較しFSHを用いてIUIを施行する場合、1例の継続妊娠…

  4. ART

    IVFおよびICSIにおける累積生児出産率と採卵数の関係について示した論文

    IVF/ICSIにおいて、累積生児出産率は採卵数と比例し上昇するという…

  5. ART

    なぜ、正倍数性の胚盤胞を移植しても継続妊娠に至らないのか考察した論文②

    ミトコンドリアからのエネルギーの供給が染色体分離と細胞分裂に重要な影響…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. ART

        体外受精後のOHSSによる入院
      2. 男性不妊

        男性因子不妊症における酸化還元電位の予測可能性を精液分析と組み合わせて評価する:…
      3. 代理出産

        フィンランドで2007年に代理出産を禁止する法律が制定されたことによる影響につい…
      4. ART

        IVF患者の膣微生物叢を調べるqPCRテストは、異常膣微生物叢の有無を調べて臨床…
      5. ART

        不妊の分野におけるロボット手術と従来の腹腔鏡検査について
      PAGE TOP