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IVF治療後の出産を予測するための機械学習モデルの比較:全国データベースからの463,669サイクルの分析

人工頭脳を利用した生児出産の予測モデルを作成したところdeep neural networkを用いたモデルにおいてその他の機械学習モデルと比較し生児出産の予測の精度は最も高く、また高い特異度も得られた。

大規模な全国的なデータベースの分析に基づいてIVFに伴う生児出産を予測する上で異なった機械学習モデルを用いその有用性を比較した。

HFEAの登録データを用いて集団ベースのコホート研究を行った。

自己の新鮮卵子を用いたIVF/ICSIは463,669周期であった。1991~ 2012年に行われたデータを分析し開始周期当たりの生児出産率の予測を試みた。

最近開発された技術であるdeep neural networkを用い生児出産率の予測モデルを作成した。random forestモデル、decision treeモデル及びNaive Bayes機械学習モデルの有用性を比較した。訓練群とテスト群を80:20に分けた。

最終的に、463,669周期を対象とし、その中の99,537周期において生児出産が得られその割合は21.5%であった。370,935周期を訓練群、92,734周期をテスト群とした。

deep neural networkモデルにおいて高い精度、特異度、陽性予測値、陽性尤度比および陰性尤度比が得られた。

しかし、感度および陰性予測値はdeep neural networkを用いた群においてはその他のモデルよりも低値を示した。

※陽性尤度比(ようせいゆうどひ)とは、ある検査において、有病者が無病者よりも何倍陽性になりやすいか、を示す値。真陽性/偽陽性で与えられる。 陽性の患者が真陽性である確率(陽性適中率)とは違うので注意。

※陰性尤度比とは、検査が陰性だった場合の尤度の比であり、小さいほど(0に近いほど)除外診断に優れる(陰性反応的中率が高くなる)。

Comparison of machine learning models for the prediction of live birth following IVF treatment: an analysis of463,669 cycles from a national database

I.Sfontouris1, A. Patelakis2, G. Panitsa2, S. Theodoratos2, N. Raine-Fenning1.

1University of Nottingham, Child Health- Obstetrics and Gynaecology, Nottingham, United Kingdom.

2Business Insight Co, Business Insight Co, Cambridge, United Kingdom.

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