ART

IVFで妊娠に至った子宮内膜症を有する女性において、流産のリスクは上昇しないということを示した論文

IVFで妊娠に至った子宮内膜症を有する女性において流産のリスクは上昇しません。

Risk of miscarriage in women with endometriosis:insights from in vitro fertilization cycles

Marta Leonardi,Enrico Papaleo,Marco Reschini,Luca Pagliardini,Laura Benaglia,Giorgio Candotti,Paola Vigano,Lavinia Quaranta,Maria Munaretto,Massimo Candiani,Paolo Vercellini,Edgardo Somigliana
Fertil Steril.2016 Aug;106(2):386-392.e3

IVFで単体妊娠に至った子宮内膜症患者において流産のリスクが上昇するか否か検討した。IVFで単体妊娠に至った女性を対象にマッチト症例-コントロール研究を行った。症例群は子宮内膜症のために手術を受けた既往のある女性とし、IVFの時点で卵巣性チョコレート嚢胞を認めた313名とした。コントロール群は症例群と年齢、治療周期のタイプ(新鮮胚移植周期あるいは凍結融解胚移植周期)および研究期間を一致させた子宮内膜症を伴わない313名とした。

評価項目は妊娠12週未満の流産率とした。子宮内膜症の有無別にみた流産の数に差異は認められず、それぞれ48例(15%)と60例(19%)であった。症例群における流産のオッズ比は0.76であった。BMI、既往分娩回数、不妊期間および男性不妊などの要因で補正し得られたオッズ比は0.81であったが、いずれも統計的有意差を得るには至らなかった。

治療周期のタイプ、移植胚数、チョコレート嚢胞の有無、子宮内膜症に対する手術の既往歴などによってサブグループに分け分析したところ、いずれのサブグループにおいても流産のリスクの有意な上昇は認められなかった。

関連記事

  1. ART

    2個以上の胚を移植するも単胎分娩に至った場合における受胎時の胎児数についての論文

    2個以上の胚を移植するも単胎分娩に至った例において周産期の臨床結果にネ…

  2. ART

    子宮内膜症の術後にARTで一児を得た不妊患者において、2回目の生児出産率が高いということを示した論文…

    子宮内膜症の手術を受けARTで一児を得た不妊患者において、2回目の生児…

  3. ART

    IVFに用いられる胚培養液が、治療結果と新生児の出生体重に影響を及ぼすことを示した論文

    IVFに用いられる胚培養液は、治療結果と新生児の出生体重に影響を及ぼす…

  4. ART

    トリガーの日における血中プロゲステロンレベルによる継続妊娠率の変化について

    トリガーの日における血中プロゲステロンレベルが 1.14ng/mL超の…

  5. ART

    IVF患者の最適な刺激プロトコルを選択するための人工知能ベースのアルゴリズムの開発と検証

    AIを利用した予測モデルを作成したところ初回のIVFを受けた患者におい…

  6. ART

    IVF治療後の出産を予測するための機械学習モデルの比較:全国データベースからの463,669サイクル…

    人工頭脳を利用した生児出産の予測モデルを作成したところdeep neu…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. 検査・診断

        血中DHEASは着床の成功と着床の不成功/早期流産の早期の予測因子になることを示…
      2. 子宮内膜症

        チョコレート嚢胞の再発と卵巣癌の相関について
      3. 不妊リスク

        ESHREガイドラインにおけるPOIの診断と治療について④
      4. 不妊治療

        WHOタイプIIの無排卵およびCC障害のある女性におけるクエン酸クロミフェンまた…
      5. ART

        IVFおよびICSIにおける累積生児出産率と採卵数の関係について示した論文
      PAGE TOP