The number of oocytes associated with maximum cumulative live birth rates per aspiration depends on female age: a populationstudy of 221221 treatment cycles
新鮮胚移植と凍結融解胚移植当たりの生児出産率は伝統的にARTの成功の主たる評価項目となっている。有用性の高い胚凍結法が導入されるようになり、1回の卵巣刺激と採卵に続く新鮮胚移植とすべての凍結融解胚移植によって得られる累積生児出産率が治療法の成功を評価する上で最も意味のある方法とみなされている。
採卵数の上昇に伴って採卵当たりの累積生児出産率は上昇するという根拠は示されている。しかし、この相関は女性の年齢別にみても同様であるか否かということについて正しく評価されていない。
そこで、採卵当たりの最大累積生児出産率が異なった年齢の女性におけるARTにおいて認められるか否か調べ至適卵子の数について検討した。オーストラリアとニュージーランドにおいて得られたデータを用いて大規模な後方視的集団ベースのコホート研究を行った。
両国におけるすべての不妊センターで実施されたすべてのART周期のデータを収集した。2009~2015年の自己の卵子を用いた221,221周期を対象にデータを分析した。採卵当たりの累積生児出産率は採卵後に妊娠20週以上で少なくとも1人の生児出産児を得たものとし卵巣刺激から1児が出産するまで、あるいはすべての胚を使用するまでの期間中に得られたすべての新鮮胚移植と凍結融解胚移植に伴う生児出産を調べた。
卵子が採取されなかった周期は分析から除外した。一般化推定方程式を用いて1人の女性が受けた複数の治療周期を考慮した分析も試みた。単変量および多変量回帰分析を用いて採卵当たりの累積生児出産に独立し影響を与えると考えられる因子で補正し比較した。女性の年齢と採卵数との間の相関を調べるために、少なくとも1回の生児出産を得るために必要な1回の採卵から得られる卵子の至適数を年齢別に調べた。
採卵当たりの累積生児出産率の尤度はオッズ比で示した。
採卵数の中央値は7で、その四分位範囲は4~12であった。患者の年齢の中央値は36で、四分位範囲は33~40歳、全累積生児出産率は32.2%であった。多変量回帰分析の結果、採卵数は年齢、既往分娩回数、周期数で補正したところ採卵当たりの累積生児出産率の有意な予測因子となるという結果が得られた。
採卵数が10~14個の群をレファレンス群とし比較したところ、採卵当たりの累積生児出産率の補正オッズ比は採卵数とともに上昇し、1~3個の場合には0.21、4~9個の場合には0.56、15~19個の場合には1.38、20~24個の場合には1.75、25個超の場合においては2.10という結果であった。
女性の年齢で比較したところ、採卵数が1個増えるごとの累積生児出産率の上昇率は、年齢の上昇に伴って低下し若い女性においては、採卵数の上昇がより有効であるという結果が得られた。30歳未満の患者における累積生児出産率と35~34歳の女性における累積生児出産率は採卵数が25個を過ぎた時点から平坦となり、それぞれ73%と72%であった。
一方、35~39歳と40~44歳の群における累積生児出産率は採卵数の上昇に伴って高まり採卵数が30個以上の場合、それぞれ68%と40%という結果が得られた。45歳以上の女性における累積生児出産率は5%未満に留まった。累積生児出産率は18~35歳の女性においては25個で最大となり、36~44歳の女性においては30個超で最大となり、45歳以上の女性においては9個で最大となるという結果が得られた。
しかしながら、45歳以上の女性においてはこの年齢層の女性の数が相対的に少ないため確かな結論は得られなかった。
Yin Jun Law, Ning Zhang, Christos A Venetis, Georgina M Chambers, Katie Harris
Hum Reprod. 2019 Sep;34 (9): 1778-1787
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