ART

ESHREから発表されたIVFガイドラインの詳細について

IVFのラボにおける管理と専門的操作の質を向上させるための13のセクションからなるガイドラインがESHREから発表されました。このガイドラインはヨーロッパ各国を代表する10名のembryologistが中心となりまとめ、embryologist専門委員会のレビューを受けたものです。

Revised guidelines for good practice in IVF laboratories(2015)
The ESHRE Guideline Group on Good Practice in IVF Labs,Maria Jose De los Santos,Susanna Apter,Giovanni Coticchio,Debrock,Kersti Lundin,Carlos E.Plancha,Prados,Rienzi,Greta Verheyen,Bryan Woodward,and Nathalie Vermeulen
Hum Reprod.2016 Apr;31(4):685-686
【文献番号】r13300 (倫理、法規制、ガイドライン、勧告)

IVFラボにおける管理やケアを適正化するために、ESHREのembryologyの専門家グループが勧告を発表した。ESHREに参加する各国を代表する10名のembryologistのグループが検討を重ねガイドラインを作製した。専門家グループが2008年の記録を評価し、その結果に基づいてそれぞれの専門家が担当部門のレビューを行った。その後、2日間にわたるミーティングを行い、コンセンサスが得られるまで検討し訂正した。最終的な原稿をESHREのembryologist専門委員会のメンバーに提示した。

このガイドラインにはIVFのラボに必要なスタッフの配置、今後のラボの業務の方向性、質の管理、安全性の維持、IVFのラボにおいて行われる患者のIDに関わる問題、生殖細胞の追跡、生物資料の処理、採卵、精子の処理、媒精、受精の評価、胚培養、胚移植および凍結保存などに関する勧告を含めた。最後のセクションにおいてはIVFラボにおける緊急的問題への対応法などにも触れている。全勧告はインターネット(http://humrep.oxfordjournals.org/
でアクセスできるようになっている。

参考:ESHREの勧告の掲載されているサイトのアドレス
https://www.eshre.eu/Guidelines-and-Legal/Guidelines/Revised-guidelines-for-good-practice-in-IVF-laboratories-(2015).aspx
このアドレスのアクセスし、「Standard full version Download here」のところをクリックすると、勧告へアクセスすることができる。

関連記事

  1. ART

    IVF患者の最適な刺激プロトコルを選択するための人工知能ベースのアルゴリズムの開発と検証

    AIを利用した予測モデルを作成したところ初回のIVFを受けた患者におい…

  2. ART

    予測モデルによって、TESEによる精子回収の可能性を高い精度で識別できることを示した論文

    TESEによって精子回収の可能性が高い患者と低い患者を、6つの変数を…

  3. ART

    全胚凍結戦略がARTにもたらすもの〜有用性と適正な評価の必要性

    卵子や胚のvitrificationを試みることによって黄体機能不全の…

  4. ART

    なぜ、正倍数性の胚盤胞を移植しても継続妊娠に至らないのか考察した論文①

    卵子や胚を取り巻く環境には、加齢やライフスタイル、心理的ストレス、栄養…

  5. ART

    全胚凍結戦略がARTにもたらすもの〜その可能性について

    最初のメタアナリシスで凍結融解胚移植によって、着床率、妊娠率および継続…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. 妊娠の科学

        制御された精子DNA損傷の卵母細胞DNA修復能力は女性の年齢によって影響される
      2. 不妊治療

        WHOタイプIIの無排卵およびCC障害のある女性におけるクエン酸クロミフェンまた…
      3. ART

        IVFに対する子宮筋腫の影響:系統的レビューとメタ分析
      4. ART

        なぜ、正倍数性の胚盤胞を移植しても継続妊娠に至らないのか考察した論文②
      5. 食生活

        IVFにおいて、全粒穀物の摂取量と生児出産率に相関があることを示した論文
      PAGE TOP