外科的に子宮内膜症と確認された思春期女性および若年女性においてビタミンD、オメガ3脂肪酸およびプラセボを投与したところいずれの群においても3か月の時点および6か月を経た時点において骨盤痛とQOLのスコアの改善が認められた。
外科的に確認された子宮内膜症を有する思春期女性においてオメガ3脂肪酸あるいはビタミンDを補充することによって疼痛を軽減しQOLの改善をもたらすことができるか否か調査した。
69名の思春期女性と若年女性を対象に二重盲検無作為化プラセボ対照試験を実施した。それらの患者を3群に分け、1日当たりビタミンD2,000単位、魚油1,000mgあるいはプラセボを6か月にわたって投与した。
いずれの薬剤も白いカプセルに封入され肉眼上同一のものとした。12~ 25歳の59名の女児および若年女性を対象とした。19名はプラセボ群、23名はビタミンD群、17名は魚油群とした。
いずれも手術によって子宮内膜症であることが確認されvisual analog scale(VAS)で疼痛のスコアは3以上であった。
基礎レベルにおいて子宮内膜症の重症度や骨盤痛には差異は認められなかった。59名の参加者が調査を終了した。大部分の参加者はrASRM分類でstage 1の子宮内膜症と判定された。
基礎レベルから6か月の過程において血中25(OH)DがビタミンD群においてわずかに上昇した。魚油を用いた群においてはオメガ3脂肪酸、EPAおよびDHAのレベルにわずかな上昇が認められた。
すべて3群の女性において疼痛のレベルの改善が認められた。プラセボ群においては6か月の過程において6.0から4.4へと低下が認められたが統計的有意差は得られなかった。
ビタミンDを用いた群においては7.0から5.5へと低下が認められ統計的有意差が認められた。魚油を用いた群においては5.9から5.3へと低下が認められたが統計的有意差は認められなかった。
いずれの群においても骨盤痛の持続時間は基礎レベルから6か月の過程において同様に改善した。3名の参加者は6か月の時点において疼痛のために受診が必要となったがそのレベルは基礎レベルと同様であった。
Supplementation in adolescent girls with endometriosis (SAGE): A double blind, randomized, placebo-controlled trial
J.Nodler1, A. DiVasta2, A. Vitonis3, S. Karevicius4, M. Malsch5, V. Sarda2, A. Fadayomi3, S. Missmer6.
1Houston IVF, REI, Houston, U.S.A..
2Boston Children’s Hospital and Harvard Medical School, Department of Medicine, Boston, U.S.A..
3Brigham and Women’s Hospital and Harvard Medical School, Department of Obstetrics- Gynecology- and Reproductive
Biology, Boston, U.S.A..
4Boston Children’s Hospital and Brigham and Women’s Hospital, Boston Center for Endometriosis, Boston, U.S.A..
5Boston Children’s Hospital, Institutional Centers for Clinical and Translational Research, Boston, U.S.A..
6College of Human Medicine- Michigan State University, Department of Obstetrics- Gynecology- and Reproductive Biology,
Grand Rapidsd, U.S.A..
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