ART

子宮内膜症の術後にARTで一児を得た不妊患者において、2回目の生児出産率が高いということを示した論文

子宮内膜症の手術を受けARTで一児を得た不妊患者において、2回目の生児出産率は高く78%という結果が得られ、自然妊娠は54%を占めました。2回目の自然妊娠の予測因子として、endometriosis ferttility indexが有用という結果が得られましたが、今回の結果はさらに大規模な前方視的研究によって確認する必要があります。

Second live after undergoing assisted reproductive technology in women operated on for endometriosis
Jeremy Boujenah,Jean-Noel Hugues,Christophe Sifer,Isabelle Cedrin-Durnerin,Alexandre Bricou,Christophe Poncelet
Fertil Steril.2016 Jan;105(1):129-133

ARTによって1児をもうけた後、2度目の生児出産に至る予後の予測因子を調べた。
腹腔鏡下手術を受け、ARTによって1児をもうけた164名の不妊患者の中で2人目の児を望んだ65名の不妊患者を対象に、2004~2014年にかけて視察研究を行った。least function score と endometriosis ferttility index別に自然妊娠率を調べた。

コホート内の27名(41.5%)が自然妊娠で第2子をもうけた。一方、23名(35.3%)は2人目の生児出産を得るためにはARTが必要であった。
least function score と endometriosis ferttility indexを除き、これら2群間で年齢、子宮内膜症の進行期、子宮内膜症病変の完全な切除および骨盤内の癒着などに統計的差異は認められなかった。
妊娠の成立の方法を問わなければ78%の患者が第2子をもうけており、その期間の中央値は17か月であった。

関連記事

  1. ART

    不妊治療で授かった子の出産転帰不良の多さは不妊治療以外の要因に主に起因 (LANCET)

    自然に妊娠することが困難であるために医療補助生殖(MAR)を検討してい…

  2. ART

    胚の着床には子宮内膜と胚の同調が必要であることを示した論文

    生存能力の高い胚であっても受容能のない子宮内膜に移植された場合には不成…

  3. ART

    世界におけるARTの実施状態とその結果について調査した論文

    世界的にみてARTの実施状況を調べたところ、その利用頻度と有用性は国に…

  4. ART

    全胚凍結戦略がARTにもたらすもの〜広がりつつある全胚凍結戦略

    全胚凍結戦略によってOHSSを回避できることが最も大きなメリットである…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. 不妊リスク

        ESHREガイドラインにおけるPOIの診断と治療について④
      2. 未分類

        吸引あたりの最大累積出生率に関連する卵母細胞の数は、女性の年齢によって異なる:2…
      3. 子宮内膜症

        チョコレート嚢胞の再発と卵巣癌の相関について
      4. 男性不妊

        禁欲期間1日間と4日間ではどちらが、精液の抗酸化能がよいか調査した論文
      5. ART

        体外受精後のOHSSによる入院
      PAGE TOP