ART

体外受精後のOHSSによる入院

体外受精後のOHSSによる入院は、改善が見込まれているにもかかわらず、過去15年間減少していません。

デンマークの全国統計を調べたところ、160,803周期の ARTにおいて 2,564周期に OHSSが認められたが、この発現頻度は年度によって差異は認められず2001~2015年にかけて重症OHSSの発現頻度に有意な低下は認められなかった。

調節卵巣刺激にアンタゴニストプロトコールが用いられるようになり、また卵巣の反応性の予測因子などもチェックされるようになり、さらにアゴニストでトリガーが試みられるようになったが、その結果、重症OHSSの発現頻度に低下が認められたか否かという点について検討した。

年度別にみた OHSSの発現頻度は 2001年には 1.7%、2015年においては 1.4%とわずか 0.3%の減少が認められた。2005年においてはOHSSの発現頻度は最も高く1.9%であったが、2007年においては最も低く1.4%であった。

また、2015年においても1.4%という発現頻度であった。この15年間にわたるOHSSの発現頻度を調べたところ、有意な変化は認められなかった。

Hospitalizations due to OHSS after IVF is not diminished during the last 15 years despite presumed improvements

in ovarian stimulation – National data from Denmark

L. Colmorn1, Ø. Lidegaard2, N. Sopa3, A. Pinborg1, S. Malchau3, A. Nyboe Andersen1.

1Rigshospitalet, Fertilityclinic, Copenhagen, Denmark.

2Rigshospitalet, Gynecology, Copenhagen, Denmark.

3Hvidovre Hospital, Fertilityclinic, Hvidovre, Denmark.

関連記事

  1. ART

    世界におけるARTの実施状態とその結果について調査した論文

    世界的にみてARTの実施状況を調べたところ、その利用頻度と有用性は国に…

  2. ART

    予測モデルによって、TESEによる精子回収の可能性を高い精度で識別できることを示した論文

    TESEによって精子回収の可能性が高い患者と低い患者を、6つの変数を…

  3. ART

    卵巣刺激下のIUIによって継続妊娠率の向上が見られたことを示した論文

    原因不明不妊カップルにおいて、卵巣刺激下のIUIを施行することによって…

  4. ART

    IVF患者の最適な刺激プロトコルを選択するための人工知能ベースのアルゴリズムの開発と検証

    AIを利用した予測モデルを作成したところ初回のIVFを受けた患者におい…

  5. ART

    IVF治療後の出産を予測するための機械学習モデルの比較:全国データベースからの463,669サイクル…

    人工頭脳を利用した生児出産の予測モデルを作成したところdeep neu…

  6. ART

    出生の累積確率を予測するための治療前カウンセリングツールについて

    卵巣予備能と年齢を用い生児出産の予測モデルを作成したところ、陽性予測値…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. 妊娠の科学

        男性の加齢が雄性の胚細胞にどのような影響を及ぼすか?
      2. 不妊治療

        女性癌患者への不妊治療オンラインカウンセリングの有用性について
      3. ART

        大規模な医療センターにおいて行われた経腟採卵に伴う合併症について調査
      4. 未分類

        自家幹細胞卵巣移植(ASCOT)により反応不良者(PR)の女性に5回の妊娠が成立…
      5. ART

        刺激と培養によるエピジェネティックな変化について
      PAGE TOP