不妊治療

ESHREガイドラインにおけるPOIの診断と治療について①

ESHREガイドライン作成グループは、POIの診断と治療に関する31の中心的疑問に答えるために99の勧告を作成した。

ESHRE Guideline:management of women with premature ovarian insufficiency
The ESHRE Guideline Group on POI,L.Webber,M.Davies,R.Anderson,J.Bartlett,D.Braat,B.Cartwright,R.Cifkova,S.de Muinck Keizer-Schrama,E.Hogervorst,F.Janse,L.Liao,V.Vlaisavljevic,C.Zillikens,and N.Vermeulen
HumReprod.2016 May;31(5):926-937
【文献番号】r13300 (倫理、法規制、ガイドライン、勧告)

今回発表されたESHREガイドラインは、2014年9月までに発表された文献の系統的検索、質の評価、ガイドライングループ内のコンセンサスを経て、ESHREガイドライン作成マニュアルに沿って、学際的専門家グループによって作成されたものである。

ガイドライン作成グループは、POIを有する女性から得られた情報を含む論文を対象に調査を行った。原稿の最終案はESHREのメンバーと専門家団体にレビューを求めた。このガイドラインの目的は、POIの女性の至適管理法を現在利用できる最善の根拠をもとに指針を作成することであった。

ガイドラインにはPOIの診断と検査に関する17の勧告と、POIのいろいろな後遺症およびモニタリングと治療の結果に関する46の勧告を含めた。さらに、POIの女性におけるホルモン補充療法に関する24の勧告、代替療法に関する2つの勧告も含めた。思春期の誘発に関する章には5つの勧告を含めた。

このガイドラインの主たる限界は適切なデータが欠如しているため、勧告の多くが専門家の意見や閉経後の女性における研究やターナー症候群の女性を対象とした研究から得られた間接的根拠に基づいていることである。このような限界はあるものの、このガイドラインで示された勧告はヘルスケア専門家がPOIの女性を管理する上で最上の指針になるものである。

関連記事

  1. 不妊治療

    原因不明の不妊症に対する介入:系統的レビューとネットワークメタアナリシス

    IVFと卵巣刺激下のIUIは最も有用性が高かった。安全性は低いという…

  2. 不妊リスク

    ESHREガイドラインにおけるPOIの診断と治療について④

    POIと診断された女性における泌尿生殖系の問題に対しどのような治療法が…

  3. 不妊治療

    ESHREガイドラインにおけるPOIの診断と治療について③

    妊孕性に関わるPOIの問題点は何かPOIと診断された女性には、自然…

  4. 不妊治療

    ESHREガイドラインにおけるPOIの診断と治療について②

    <中心的な質問と勧告>本疾患を何と呼ぶのか1942年に初めて原…

  5. 不妊治療

    女性癌患者への不妊治療オンラインカウンセリングの有用性について

    女性の癌患者において、オンラインによる意思決定の支援を提供することに…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. ART

        世界におけるARTの実施状態とその結果について調査した論文
      2. ART

        IVF治療後の出産を予測するための機械学習モデルの比較:全国データベースからの4…
      3. 未分類

        IVFを受けた正常月経周期を有する女性の血中DHEAS上昇と流産の関係について
      4. ライフスタイル

        生児出産率が高まる生活様式についての文献
      5. ART

        トリガーの日における血中プロゲステロンレベルによる継続妊娠率の変化について
      PAGE TOP