ライフスタイル

生児出産率が高まる生活様式についての文献

妊娠を考える男性は、オメガ-3脂肪酸や抗酸化剤の摂取が最も有効と考えられます。

妊娠を考える女性は、ストレスコントロール、運動を促し、肥満女性には体重減少を薦め、非肥満女性には過度の運動は回避するよう指導を行います。

IVF前の3-6か月は禁煙させ、アルコールも回避します。特に、抗酸化剤の摂取は、40歳に近づいた女性あるいは40歳以上の女性には配慮が必要です。マウスの研究ではCoQ10は高齢マウスの胎仔の発育を改善する作用があることが報告されており、ヒトでも今後期待できると思われます。

加齢、卵子の質、生活様式、ミトコンドリアDNA、コエンザイムQ10

正倍数性の胚が生児出産に結びつく割合を増加させるための介入法について検討した。

男性パートナーに対してomega-3脂肪酸や抗酸化物質の摂取が最も有用であると思われる。女性パートナーにはストレスに対する身体の反応を抑制し、運動を促し、肥満女性には体重減少を勧め、非肥満の女性においては激しい運動を回避させ、IVFの前3~6か月は禁煙させ、アルコールを回避させるなどの対応が最も有用であると思われる。
いずれのパートナーにも中等度のレベルの運動や適切な食事などにも配慮する必要がある。酸化ストレスは加齢や肥満、精液の質の低下、卵子や胚の質の低下などに関わることから、これに対応するためには抗酸化剤の摂取が男性と女性のいずれにも勧められる。特に40歳に近づいた女性あるいは40歳超の女性においてはそのような配慮が重要である。

このような対応法のすべてが血管系にもよい影響を与え、男性においては勃起などの性機能の改善をもたらし、長期的な健康状態にも好ましい影響をもたらすものと思われる。

CoQ10のような新しい介入法は最近始まったばかりであるが、ヒト以外の研究や限られたヒトの研究によれば、期待できる方法と思われる。ストレスに被ばくした胚においてはミトコンドリアの過剰産生などのバイオマーカーを指標に積極的に調査してみる必要がある。それによってどのような正倍数性の胚が良い結果をもたらすものであるかを特定することができるのではないかと思われる。

上記の介入法の大部分は、限られた研究によって支持されてはいるが、さらに無作為対照試験で確認する必要がある。

Aging and the environment affect gamete and embryo potential :can we intervene?
David R.Meldrum,Robert F.Casper,Antonio Diez-Juan,Carlos Simon,Alice D.Domar,Rene Frydman
Fertil Steril.2016 Mar;105(3):548-559

関連記事

  1. ライフスタイル

    女性生殖器と金属の関係における考察の必要性について投げかけた論文

    正常と判定された組織と比較し、子宮内膜癌、子宮内膜増殖症、子宮内膜上皮…

  2. ライフスタイル

    親になることのタイミングに影響を与える因子について

    若い男性が家族形成の好ましいタイミングに影響を与える因子として社会的…

  3. ART

    男性の内科的合併症とIVFの臨床結果には相関があることを示した論文

    男性の内科的合併症とIVFの臨床結果には相関があることが確認されまし…

  4. ライフスタイル

    環境汚染物質がヒトの生殖にとって大きな脅威になる可能性を示した論文

    自然ガス、内分泌攪乱化学物質および大気汚染などを含む環境汚染物質がヒト…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. 食生活

        IVFにおいて、全粒穀物の摂取量と生児出産率に相関があることを示した論文
      2. ART

        胚の着床には子宮内膜と胚の同調が必要であることを示した論文
      3. 不妊リスク

        ガン罹患後の不妊リスクについて
      4. ART

        全胚凍結戦略がARTにもたらすもの〜メリットと抱える問題点
      5. ART

        世界におけるARTの実施状態とその結果について調査した論文
      PAGE TOP