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予測モデルによって、TESEによる精子回収の可能性を高い精度で識別できることを示した論文

TESEによって精子回収の可能性が高い患者と低い患者を、6つの変数を用いた予測モデルによって高い精度で識別できるという結果が得られました。

Prediction model for obtaining spermatozoa with testicular sperm extraction in men with non-obstructive azoospermia

M.Cissen,A.M.Meijerink,K.W.D‘Hauwerd,A.Meissner,N van der Weide,M.H.Mochtar,A.A.de Melker,L.Ramos,S.Repping,D.D.M.Braat,K.Fieischer,and M.van Wely

Hum Reprod.2016 Sep;31(9):1934-1941

【文献番号】r03200 (TESE、MESA、PESA、精巣精子)

TESEを用いてICSIを施行することによって、非閉塞性無精子症の患者において約半数が精巣精子を採取することができる。TESEによって精子を得ることができる確率を予測するために、いくつかのモデルが開発されているが、それらは比較的少数のデータに基づいたものであり、外部評価は試みられていない。

そこで、大規模な全国的な非閉塞性無精子患者のコホートを対象に、TESEによって精子の回収の有無を予測するための生物学的要因に基づいた外部評価モデルを作成しその有用性を検討するために、後方視的全国規模のコホート研究を実施した。

2007年~2015年にわたって、1,371件のTESEのデータを2か所の不妊センターにおいて収集した。初めてTESEを受けた非閉塞性無精子患者すべてを対象とした。

一時評価項目は運動率にかかわらず精巣生検によって少なくとも1つ以上の精子の回収とした。単変量および多変量ロジスティック回帰分析を用いて、一方の医療センターのデータをもとに精子回収に成功するか否かのモデルを作成した。また、このモデルを用いてもう1つの医療センターのデータを用いてその有用性を検討し、ROCカーブを用いてAUCを算出した。

初回のTESEで精子の回収に成功したものは599例(43.7%)であった。

多変量ロジスティック回帰モデルを用いて分析し予測モデルを作成したところ、男性の年齢の上昇、血中テストステロンレベルの上昇、FSH、LHレベルの低下は精子回収の予測因子となるという結果が得られた。突発性非閉塞性無精子の診断やAZFcの存在は精子回収が不成功となる予測因子となるという結果が得られた。

ROCカーブにおけるAUCは0.69であった。観察値の平均値と予測値の平均値の差異は全ての群において2.0%未満に留まり、良好な検量線が得られた。

予測モデルの評価を試みたところ、中等度の識別能を有しAUCは0.65であった。また、中等度の検量線が得られ、予測能は平均観察値の9.2%を超えることはなかった。

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