ART

Day5対Day6の新鮮および凍結胚盤胞移植サイクルの結果:系統的レビューとメタ分析

day5胚盤胞移植を試みることによってday6胚盤胞移植よりも新鮮胚移植および凍結胚移植のいずれにおいても高い臨床的妊娠率および高い生児出産率が得られた。

胚盤胞移植がARTセンターにおいて今日では多くの研究において試みられている。day5およびday6の胚盤胞の移植に伴っていろいろな結果が報告されている。

我々の知る限り今まで新鮮胚盤胞移植と凍結融解胚盤胞移植において臨床結果に焦点を当てたメタアナリシスは行われていない。

凍結胚盤胞移植に関してはメタアナリシスによってday5およびday6の胚盤胞との間で妊娠の結果に有意差は認められないと報告されている。

しかし、その後day5あるいはday6の凍結融解胚盤胞移植が多数試みられるようになりARTの領域においてもvitrificationの使用が広く行われ進化を遂げている。
そこで、新鮮胚移植と凍結融解胚移植後のday5およびday6胚盤胞移植の間で臨床的妊娠率および生児出産率にどのような差異があるか検討した。

系統的レビューとメタアナリシスを行うために2005~ 2017年において関連論文をデータベースから抽出した。47件の完全論文が認められリファレンスには808件の論文が認められた。

ランダムエフェクトモデルを用いてメタアナリシスを行った。対象は新鮮胚移植、vitrification-warming胚移植、緩慢凍結融解胚移植のサブグループに分けた。データは28件の論文から抽出しメタアナリシスを行った。

総移植胚数は12,932周期であった。その中には新鮮胚移植と凍結融解胚移植でday5およびday6の胚が含まれた。すべての移植を含めメタアナリシスを行ったところ、day5胚盤胞移植の方が有意に高い妊娠率が得られ、全相対リスク比は1.26という結果が得られた。

サブグループで補正したがその有意差は変わらずその相対リスクは1.27という結果であった。新鮮胚盤胞移植の場合、相対リスクは2.29、vitrification-warming胚盤胞移植における相対リスクは1.27、緩慢凍結融解胚盤胞移植においては1.15という結果であった。

生児出産率もまたday5胚盤胞移植群において有意に高く、全相対リスクは1.46、サブグループで補正したとしても有意差は変わらなかった。

サブグループ別に生児出産率の相対リスクを算出したところ新鮮胚盤胞移植においては1.65、vitrificationwarming胚盤胞移植においては1.37、緩慢凍結融解胚盤胞移植においては1.44といずれもday5群において有意に高い値を示した。

感度分析の結果、この結果と結論に有意差は認められずday5移植群においてはday6移植群と比較し胚盤胞移植に伴う臨床的妊娠率あるいは生児出産率は有意に高い値を示すという結果が得られた。

Day 5 versus Day 6 fresh and frozen blastocyst transfer cycle outcomes: a systematic review and meta-analysis
A. Finet 1, M. Bourdon 2, V. Grzegorczyk-Martin 1, M. Poulain 3, A. Amar-Hoffet 4, E. Arbo 5, K. Pocate-Cheriet 6, P. Santulli
2.
1Clinique Mathilde, Centre d’Assistance Médicale à la Procréation, Rouen, France.
2Université Paris Descartes- Sorbonne Paris Cité- Faculté de Médecine- Assistance Publique – Hôpitaux de Paris AP-HP- Hôpital
Universitaire Paris Centre HUPC- Centre Hospitalier Universitaire CHU Cochin, Department of Gynecology Obstetrics II and
Reproductive Medicine, Paris, France.
3Hopital Foch- UVSQ- Université Versailles Saint Quentin, Department of Reproductive Medicine, Suresnes, France.
4Centre Sainte Colette- Hôpital Saint Joseph, Department of Reproductive Medicine, Marseille, France.
5Gedeon Richter France, Medical Affairs, Paris, France.
6Université Paris Descartes- Sorbonne Paris Cité- Faculté de Médecine- Assistance Publique – Hôpitaux de Paris AP-HP- Hôpital
Universitaire Paris Centre HUPC- Centre Hospitalier Universitaire CHU Cochin, Department of Reproductive Biology, Paris,
France.

関連記事

  1. ART

    フィンランドの妊娠代理出産に関する患者の視点~ARTの時代に子宮のない女性はどうなるのか?

    フィンランドにおいては2007年代理出産を禁止する法律が制定された。そ…

  2. ART

    IVF患者の最適な刺激プロトコルを選択するための人工知能ベースのアルゴリズムの開発と検証

    AIを利用した予測モデルを作成したところ初回のIVFを受けた患者におい…

  3. ART

    卵巣刺激下のIUIによって継続妊娠率の向上が見られたことを示した論文

    原因不明不妊カップルにおいて、卵巣刺激下のIUIを施行することによって…

  4. ART

    35歳以上の女性において、乳製品摂取量がARTでの生児出産率に影響するという論文

    IVFを受けた女性を対象とし調査した結果、35歳以上の女性では乳製品摂…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. ART

        トリガーの日における血中プロゲステロンレベルによる継続妊娠率の変化について
      2. ART

        IVF治療後の出産を予測するための機械学習モデルの比較:全国データベースからの4…
      3. ART

        不妊治療で妊娠に至った単胎妊娠の親において、妊娠期間中から産褥期に渡って不安レベ…
      4. ART

        不妊の分野におけるロボット手術と従来の腹腔鏡検査について
      5. 不妊リスク

        子宮内膜症の思春期の少女へのサプリメント投与:二重盲検、無作為化、プラセボ対照試…
      PAGE TOP