卵巣予備能と年齢を用い生児出産の予測モデルを作成したところ、陽性予測値は80%、AUCは0.776という結果が得られた。
1周期の卵巣刺激を試み全ての胚を移植した場合、治療前の各種要因に基づいて生児出産率を予測することができるか否か検討した。
2014~2015年にかけて3次医療機関で初回の卵巣刺激を受けた患者を対象に、後方視的コホート研究を行った。すべての電子データと紙ベースの記録をレビューした。
551周期を対象にレビューしたが、335周期は完全IVF周期と判定され分析の対象とした。累積生児出産率を予測するために初回の刺激周期で得られたすべての胚を使用するか、あるいは分娩に至ったカップルを対象に分析を行った。提供卵子、提供精子あるいは体外成熟などを試みたものは対象から除外した。
また、非刺激周期でIVFを行ったもの、新鮮胚あるいは凍結融解胚移植が不能であったもの、また、生児出産に至らず凍結融解胚を有していないもの、などは対象から除外した。
累積生児出産率は、80%(268/335)と推定された。生児出産に至った女性は年齢の中央値有意に低く、それぞれ34歳と36歳、FSHの中央値も有意に低くそれぞれ6.6と7.7であった。
また、AMHレベルは有意に高くそれぞれ22.0pmol/Lと9.98pmol/L、胞状卵胞数はそれぞれ18個と11個であった。BMI、不妊原因、妊娠の既往歴および不妊期間は生児出産と相関しなかった。
従属変数を生児出産としロジステック回帰分析を用いて分析したところ、年齢を排除せずに累積生児出産率の確率を予測することができるという結果が得られた。
このモデルを用いた場合の陽性予測のための統計的パワーは80%、AUCは0.74という結果が得られた。
2016年1月~ 12月において初回のIVFを受けた72組のカップルを対象に、この予測モデルの有用性が確認された。このモデルを用いることによって、生児出産に至るカップルの96%を正しく予測することができるという結果が得られた。
N.Balachandren1, M. Salman1, N. Diu1, D. Mavrelos1.
1UCLH, Womens Health, London, United Kingdom.
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