ART

IVFに対する子宮筋腫の影響:系統的レビューとメタ分析

子宮腔に影響を与えない筋層内筋腫が存在している場合、漿膜下筋腫の有無にかかわらず生児出産率、臨床的妊娠率および流産率は低下するが、着床率には影響は与えないという結果が得られた。

子宮腔に影響を及ぼさない子宮筋腫がIVFの結果にどのような影響を及ぼすか検討した。PRISMAに従って関連論文を収集し系統的レビューとメタアナリシスを行った。

関連論文は主要データベースから抽出した。無作為化対照試験と非無作為化対照試験を分析した。

一次評価項目は生児出産率と臨床的妊娠率、二次評価項目は着床率と流産率とした。

2,482件の論文が抽出されたが採用基準および除外基準を満たした論文は26件であった。すべては非無作為化試験で対象となった治療周期は7,733周期であった。

大部分(26/27)は研究の質のレベルは高いと判定された。14件(14/27)は漿膜下筋腫を伴った筋層内筋腫を対象としていた。12件の研究は筋層内筋腫のみを対象としていた。

子宮腔内に影響を及ぼさない筋層内筋腫が認められた場合、漿膜下筋腫の有無にかかわらず臨床的妊娠率は有意に低下しその相対リスクは0.83、生児出産率も有意に低下しその相対リスクは0.80、また、流産率は有意に上昇しその相対リスクは1.26という結果が得られた。一方、着床率に対する相対リスクは0.79であったが統計的有意差は得られなかった。

The impact of non-cavity distorting intramural fibroids on IVF outcomes: A systematic review and meta- analysis

M.Hamdan1, M. Nuzaim1.

1University of Malaya, Obstetrics and Gynaecology, Kuala Lumpur, Malaysia.

関連記事

  1. ART

    全胚凍結戦略がARTにもたらすもの〜広がりつつある全胚凍結戦略

    全胚凍結戦略によってOHSSを回避できることが最も大きなメリットである…

  2. 不妊リスク

    子宮外妊娠における卵管切除術はその後の妊孕性にポジティブな影響はもたらさないという結果が得られた論文…

    ごくわずかな有益性は除外することはできないが、子宮外妊娠における卵管切…

  3. ART

    クロミフェンはIUIにおいて、最も費用対効果の優れたレジメンであることが確認された論文

    クロミフェンと比較しFSHを用いてIUIを施行する場合、1例の継続妊娠…

  4. ART

    胚の着床には子宮内膜と胚の同調が必要であることを示した論文

    生存能力の高い胚であっても受容能のない子宮内膜に移植された場合には不成…

  5. ART

    Day5対Day6の新鮮および凍結胚盤胞移植サイクルの結果:系統的レビューとメタ分析

    day5胚盤胞移植を試みることによってday6胚盤胞移植よりも新鮮胚…

  6. 不妊リスク

    ガン罹患後の不妊リスクについて

    一定の非婦人科の癌に罹患した思春期/若年女性の生存者はその後に不妊と…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

サイト情報をキャッチ

Push7でプッシュ通知を受け取る:



FeedlyでRSS購読をする:



>> プッシュ通知やRSSについてはこちらをご覧下さい

最近の記事

記事ランキング

アーカイブ

最近チェックした記事

    最近のコメント

      1. ART

        子宮内膜症の術後にARTで一児を得た不妊患者において、2回目の生児出産率が高いと…
      2. 不妊治療

        WHOタイプIIの無排卵およびCC障害のある女性におけるクエン酸クロミフェンまた…
      3. 男性不妊

        microTESE時の精細管拡張と精子回収率について
      4. ART

        トリガーの日における血中プロゲステロンレベルによる継続妊娠率の変化について
      5. 食生活

        原因不明不妊女性に対する抗酸化剤であるビタミンC、ビタミンE、βカロチン投与につ…
      PAGE TOP